サステナビリティ サプライチェーンマネジメント

サプライチェーンマネジメントへの取り組み

難易度の高い橋梁の製作・架設工事においては、大ブロックを製作可能な工場設備と製作対応力、特殊機材と橋梁架設計画力、現場管理能力のほかにも、豊富な経験と高い技術力を有する協力会社の存在が必要不可欠です。
東京タワーや江戸橋JCTから始まり、その後の明石海峡大橋を含めた数々の本州四国連絡橋や、最近では気仙沼湾横断橋など、当社グループとして手がけてきた数多くの高難度工事の実績は、それを一緒に手がけてきた協力会社の存在なしに語ることはできません。
当社グループは、これからも協力会社との関係を大切にし、協力会社とも「共に歩み」「共に成長する」企業として持続的成長に努めていきます。

サプライチェーンリスクマッピングの実施

当社グループでは、サプライチェーン上のリスクを明らかにするために、サプライチェーンリスクマッピングを実施しました。
主要な事業子会社である宮地エンジニアリング株式会社とエム・エム ブリッジ株式会社を対象に、サプライチェーンに関するアンケートやヒアリング調査を行い、当社グループの事業運営におけるサプライチェーン上のリスクの洗い出しを行いました。
各リスクについて「発生可能性」と「深刻度」の2つの軸で評価し、各社のサプライチェーンリスクマップを作成しました。
2社のマップを比較し、よりリスクが高い数値を使用して、「宮地エンジニアリンググループ サプライチェーンリスクマップ」としました。

宮地エンジニアリンググループ サプライチェーンリスクマップ

今回実施しましたサプライチェーンリスクマッピングにより、当社グループにおけるサプライチェーン上の高リスク(深刻度が高いまたは発生可能性が高い)として、以下の9項目を特定しました。

①深刻度が高く、発生可能性が低いリスク
ⅰ.事業対象の国・地域での法令・社会規範の遵守
ii. 反社会的勢力の排除
iii. 不適切な利益供与・受領の禁止
iv. 品質・安全管理
v. 社会への負の影響の配慮
②発生可能性が高く、深刻度が低いリスク
vi. 強制労働・児童労働の禁止
vii. 生物多様性の配慮
viii. 省資源化
ix. 水資源の保全

なお、①深刻度が高く、発生可能性が低いリスクについては、発生時の深刻度が重大なため、発生可能性を抑える対応を継続し、法改正等による深刻度の変化を注視していきます。
また、②発生可能性が高く、深刻度が低いリスクについては、社内プロセスの確立などを実施することで発生可能性を下げることで、リスクを下げることができます。

今後について

当社グループでは、この度特定しましたサプライチェーンリスク上のリスクに対して、リスク低減に向けて対応の検討・実施に取り組んでいきます。
また、サプライチェーンマネジメントは、当社グループのみならず、協力会社への関わりも重要であるため、協力会社が結成しました「宮栄会」を通じて積極的に関わっていきます。


宮栄会の結成

2023年10月1日に開催した当社グループの創業115周年・設立20周年記念式典に、宮地エンジニアリング(株)の災害防止協力会およびエム・エム ブリッジ(株)の安全衛生品質協議会の幹部として参列した方々が発起人となり、協力会社が当社グループと「共に歩み」「共に成長する」をコンセプトとし、安全・品質のみならず、当社グループとしてのサステナビリティ推進活動などを共有するための組織として、「宮地と共に栄える」との想いを込め、創業者宮地栄治郎の名前の一文字を冠した「宮栄会(きゅうえいかい)」を結成することとなりました。当社グループとしてもその主旨に賛同し、相談役や理事として参画するとともに、事務局としてその活動を支援することとしています。そして、2024年9月30日には、加盟会社を一同に集めた決起集会とも言える、宮栄会設立総会を開催しました。

宮栄会の活動内容

宮栄会は、安全・品質のみならず、当社グループとしてのサステナビリティ推進活動などを共有するための組織として結成しましたが、その具体的な活動内容につきましては、会長・副会長を含めた、14社14名の幹事と事務局により構成される幹事会において議論を行い、定めていく予定です。また当社グループとしては、宮栄会総会の場を借りて、マテリアリティに定める安全施工の徹底や取引の透明性に関する協力会社幹部への教育なども行うことを予定しています。
建設業界は他の業界に比べ、新卒のみならずキャリアも含めて採用が難しい業界であり、それは当社グループのみならず、協力会社にとっても大きな課題の一つとなっています。当社グループは、協力会社が直面するさまざまな課題とも向き合い、「共に歩み」「共に成長する」企業としてサステナブル経営を推進し企業価値の向上に努めていきます。